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天皇陛下と雅子様がまもなくイギリスへ国賓として訪問されることになりましたね。
エリザベス女王葬儀の時お二人でイギリスへ行かれてはいるけれど、今回は特別。それはお二人にとってそれぞれ思い出の場所であるオックスフォードに行かれるからなのです。
天皇陛下は1993年に、ご自身のイギリス、オックスフォード留学の2年間の思い出を綴った著書『テムズとともに 英国の二年間』を出版されています。昨年復刊された本のあとがきには、下記の言葉を書かれています。
遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができると願っている。
『テムズとともに』徳仁新王著 紀伊國屋書店
発表された予定を見ると、オックスフォードでの滞在はわずかな時間のようですが、それぞれの思い出を語られて過ごされるのかな・・・どんなエピソードがあるのだろうと想像してしまいます。
この記事では、発表された予定から、お二人がイギリスでどのような場所を巡られて、どんな行事に参加されるのか見ていきましょう。
(記事で使った画像は、オックスフォード大学のマートンカレッジ。画像はwikimediaより)
天皇両陛下のイギリスご訪問は6月22日〜29日
バッキンガム・パレスのサイトを見ると、かなり詳細な滞在予定が発表されていました。
6月22日に東京を出発し29日に帰国されるという日程。チャールズ国王の招待によるイギリス国賓での訪問は25日から27日のようです。これまであまり気にしたことがなかったのですが、国賓滞在の期間とそれ以外はきちんと区別されているんですね。
さて日程を見ていきましょう!
6月22日(土)
両陛下は6月22日(土)午後にロンドン・スタンステッド空港に到着されます。スタンステッド空港は、ロンドン北東部郊外にあるイギリスで3番目に大きい空港です。
到着時には、日本の林恵一大使が両陛下を出迎え、国王の名代としてブルックバラ子爵(待機卿)が歓迎の挨拶をされるようです。
6月23日(日) - 6月24日(月)
25日からの正式な国賓訪問が始まる前に、天皇陛下はジャパン・ハウスとテムズ・バリアーを訪問するなど、私的な日程が組まれているようです。
ジャパン・ハウスは、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロの3都市で展開している日本を紹介する多目的スペースです。
テムズ・バリアーは、私も初めて知ったのですが、ロンドンを洪水から守っている可動堰。1984年にロンドンの中心地から東の方に造られたようです。でもただの堰じゃないところがさすが!ものすごくおしゃれですよ。
天皇陛下は留学時代テムズ川の水上交通を研究テーマに選ばれていますし、著書のタイトルもまさにテムズ川。ご関心があるところを見学されるんですね。テムズ・バリアーはこちらの記事が写真と共に詳しく書かれていますので、ぜひご一読を。
6月25日(火)
この日はイベントが朝から盛りだくさんです、
午前中
- ウィリアム皇太子が国王を代表して両陛下をホテルでお迎えします。
ホースガーズパレードでの儀式的な歓迎
- 皇太子と共にホースガーズパレードへ移動し、儀仗兵の敬礼を受けます。
- ここでチャールズ国王とカミラ王妃がホースガーズパレードのロイヤルパビリオンで両陛下を正式に歓迎します。
- 紹介式が行われ、儀仗兵が敬礼を行い、日本国歌が演奏されます。
- 天皇陛下は国王と共に第1大隊ウェルシュガーズの儀仗兵を視察します。
馬車行列
- ザ・マルでバッキンガム宮殿までの馬車行列に参加。
- 宮殿到着後、第1大隊ウェルシュガーズの第二の儀仗兵が両陛下を迎えます。
バッキンガム宮殿での昼食
- 国王が主催する昼食会
- 昼食後、国王の案内で、ロイヤルコレクションの日本関連アイテムを展示する特別展示を見学。
午後
- ウェストミンスター寺院を訪問し、天皇陛下が無名戦士の墓に花輪を捧げ、院長の案内で見学します。
- 夕方、国王と王妃、王室メンバーが参加するバッキンガム宮殿での国賓晩餐会に出席し、冒頭で国王と天皇陛下がスピーチを行います。
6月26日(水)
この日はフランシス・クリック研究所を訪問し、英国と日本の共同研究プロジェクトについて説明を受けます。研究所は、2016年に開設されたロンドンの生物医学研究センターです。
夜は、エディンバラ公爵夫妻(エドワード王子とソフィー妃)と共に、ロンドン市長が主催するギルドホール(ロンドン市庁舎)での晩餐会に出席します。晩餐会の終了時には、ロンドン市長と天皇陛下がスピーチを行います。
6月27日(木)
この日は、公式な国賓訪問プログラムの最終日です。両陛下はバッキンガム宮殿で国王と王妃に正式に別れの挨拶をされます。
その後、ヴィクトリア&アルバート子供博物館を訪問し、日本をテーマにした「Japan: Myths to Manga」展覧会を見学されます。
こちらは、ヴィクトリア&アルバート博物館の別館で子供のための博物館で、紀元前2300年から現代までの2000点にも及ぶ玩具や、子どもたちの生活にまつわる展示品を収蔵。写真を見るとカラフルでポップで大人でもワクワクしそう。
その後は私的に、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂を訪れ、その中にあるジョージ6世礼拝堂にあるエリザベス2世女王の墓に花輪を捧げます。礼拝堂には、上皇陛下のガーター旗が掲げられています。
ガーター勲章とは、イングランド・ガーター騎士団員章のことで、この騎士に叙されるのは24人以内に限定されているのだとか。さらにその上に英国の王族や外国王に特別騎士枠があり、そちらは現在8人。上皇さまは1998年のイギリス訪問時に特別騎士の称号を受けられています。
そして、キューガーデン(王立植物園)の歴史的な温帯温室を見学し、ミレニアムシードバンクについて学びます。ミレニアムシードバンクは97カ国にまたがる24億以上の野生植物種子を保存しており、日本と国際的な生物多様性を保護しています。現在、温帯温室ではマーク・クインのブロンズ製の盆栽彫刻が展示され、キューのコレクションからの盆栽も展示されているそうです。
6月28日(金)
イギリス滞在の最終日、お二人はオックスフォードを訪問して、在学中のカレッジを見学されるようです。
天皇陛下がオックスフォードに滞在されていたのは、1983年6月末〜85年の10月初旬。今から40年前のことです。オックスフォード大学には、カレッジが39あって、それぞれが独立した学寮のようなものが集合している大学です。カレッジではさまざまな専攻分野に学生が生活をともにする場所。正確には違うのかも知れませんが、ハリーポッターの中でもホグワースの中に、「グリフィンドール」「ハッフルパフ」「レイブンクロー」「スリザリン」と4つに分かれていましたが、あれをイメージするとわかりやすいのかも。
天皇陛下が過ごされのはマートンカレッジ。3階の部屋で過ごされた様子が本の中にもたっぷりと書かれていてとても興味深いです。雅子様はベリオールカレッジだったよう。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
最後には、ロードチェンバレン(宮内長官)が国王を代表して両陛下に別れの挨拶をし、オックスフォードから近いブライズ・ノートン空軍基地から東京に向けて出発されます。
バッキンガム宮殿より発表されていた天皇皇后両陛下のイギリスでの日程を少し深掘りしてみました。現地からのご様子を楽しみにして見たいと思います。
▼ご紹介した天皇陛下の本はこちら。イギリスでの生活、大学の寮生活などとても面白く読みました。かなり詳細に書かれているので、ご様子が目に浮かびました。そして文体がとても優しくて心地よく読めたんです。
わかるわかる、と思うところもあって、またイギリスに行きたくなりました!
陛下も書かれているとおり、旅の醍醐味は、自分の感覚を全て使って体感すること、考えること。色々な価値観に触れること。その素晴らしさがぎっしり詰まってます。