yoko
英国お屋敷案内人
美術史専攻・博物館学芸員資格/英国の歴史的邸宅47邸訪問
活動内容
・ポッドキャスト「英国ドラマタイム」毎週配信
・ブログ『Country House Stories』で、英国のお屋敷とロケ地を紹介
・英国の歴史的邸宅やカントリーハウスを紹介する講座
・美術館やオンラインでのアート鑑賞会
学歴
(英国)バッキンガム大学美術史学部卒業(BA in History of Art and Heritage Management)
(日本)武蔵野美術大学通信教育過程卒業(芸術文化学科文化支援コース)
博物館学芸員資格取得
訪ねた英国の歴史的邸宅
47邸
47邸をまとめたリストはこちらから
関心テーマ
英国のカントリーハウス、英国ドラマ・映画とロケ地、英国の歴史と暮らし、西洋美術史、庭園、英国の児童文学、日本の洋館、浮世絵、日本の建築
お仕事のご依頼は[こちら]
はじめまして
英国お屋敷案内人のYokoです。
イギリスの大学で西洋美術史を学び、これまでに歴史的邸宅を47邸訪ねてきました。英国の歴史ドラマや映画を入り口に、その背景にある歴史や文化、お屋敷、庭園、美術をご案内しています。
私の原点には、二人の案内人がいました。一人目は、アッシジのサン・フランチェスコ大聖堂で宗教画の見方を教えてくれた日本人の修道士さん。もう一人は、イギリスの語学学校で出会ったJさん。その話をさせてください。
すべてはイタリア旅行から始まった

20代半ば私はイタリアへアート鑑賞の旅に出ました。
ローマからスタート。フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ、ヴェローナ、パドヴァ、ラヴェンナ、アッシジ、ピサなどイタリア各地の美術館・博物館、教会、遺跡など巡る旅でした。その時の日程表もまだもっています。
初日のローマで圧倒され、ラヴェンナではモザイク画に釘付けに。
ジュリエットのバルコニーを見たヴェローナ。
ヴェネッツィアではまた必ずここに来ると願い、ミラノでは長い行列に並び「最後の晩餐」にご対面
特に「美術史を学びたい」と熱い想いを抱いたのは、宗教画の奥深さに気付かされたアッシジのサン・フランチェスコ大聖堂でした。それまでは少し苦手だった宗教画が、日本人の修道士さんの解説で、絵や大聖堂の見え方が一気に変わったんです。
帰国後は、写真を見ながらノートに夢中で記録しました。見たこと・聞いたこと・感じたこと、わからないことは調べながら書き上げる。これが、美術史を学ぶためのスタートになりました。
イギリスで出会った、もう一人の案内人

それから数年後、私は英語を勉強するために、イギリスの語学学校へ旅立ちました。
そこでは、土曜日にバス旅行があって、近郊の町や歴史的な場所を巡るんです。その旅行の引率をしていたのが、母と年齢の近いJさんでした。彼女の英語は、とても美しくて、聞き取りやすくて、落ち着いていて。目的地での説明も知的で、品があって。「あ、この人、素敵だな」と直感的に思ったのを覚えています。
思い切って声をかけると、彼女がご主人と住む素敵な家に招いてくださり、海の見えるサンルームでお茶を飲みながら、週に2回、一緒に本を読もうと提案してくださいました。
最初に用意してくれていたのは『嵐が丘』。発音や文の意味だけでなく、ブロンテ姉妹のこと、イギリス文学の背景を聞く。今思えば、英語ではなく、英国の物語の世界にどう向き合うかを教わっていたのだと思います。
そしてこの語学学校時代に、友人に誘われて、Ham House(ハム・ハウス)やSaltram House(サルトラム・ハウス)を訪ねました。これが、私と「カントリーハウス」との出会いです。
カントリーハウスとは、イギリスの貴族や地主が、田園の広大な領地に建てた大邸宅のこと。代々の肖像画や、一族が集めてきた美術品が部屋を埋め、それでいて今も誰かが暮らしているかのように、室内が整えられています。のちに夢中になる『ダウントン・アビー』の舞台も、こうしたお屋敷のひとつです。
美術館で見ている名画も、もとはこうして家の中に飾られていたのだ。そう気づいたときの驚きを、今もよく覚えています。
大学で、お屋敷について学ぶ
その後私は、イギリスの大学で西洋美術史を学ぶ学生になりました。
ロンドンの美術館で作品を前にして教授からレクチャーを受ける。
パリやヴェネツィアへのアートトリップ。
イギリス貴族のお屋敷である「カントリーハウス」の歴史や、文化施設のマネージメントを学ぶ。
コレクター史の授業もとても興味深かった。
すべてが私にとって大きな財産になりました。
さらにここでは、日本についての学びも多くありました。宮殿やカントリーハウスには、日本の陶磁器や漆器が〇〇(例:ヨーロッパの家具に作り替えられたりして)飾られていたのです。
語学学校時代に知ったカントリーハウスが、偶然にもまたここで強いつながりとなりました。当時の美術史学部長が、カントリーハウスの専門家だったからです。
授業では、近くにあったカントリーハウスStowe House(ストウ・ハウス)へ何度も訪問しました。ロスチャイルド家の邸宅、Waddesdon Manor(ワデスドンマナー)へも授業で訪問。それからはクラスメートや一人旅でカントリーハウスを巡るようになりました。
それぞれに異なる建築様式、周囲に広がる広大な庭園、建物の中を埋め尽くすような肖像画。そして、まるで今も人が暮らしているかのように残されたインテリア。そこには、何百年と所有してきた一族の歴史、邸宅や庭園が造られた時代背景、現在までこのように美しく保存されてきた経緯など、カントリーハウスの数だけものすごいドラマがある。それが、私が興味をここまで持ち続けている理由です。
念願の本場で学ぶ西洋美術史でしたが、英語にはとても苦労しました・・・書くべきことは頭の中にちゃんとあるのに、自分の英語ではうまく伝えられない。それが本当に悔しかった。徹夜三昧で、潰れそうになる日もありましたが、その間もJさんとは手紙でやりとりを続け、ずっと励まし続けてくれました。
人生で一番の猛勉強をして、無事に卒業式を迎えることができました。その場では、家族とともにJさんも見守ってくれていました。
闘病後、立ち止まっていた時期
帰国後は、学芸員の資格も取得しよう!と芸術大学で再び学びながら、会社員で働いてました。
それから癌にかかっていることがわかり、闘病生活も経験しました。これは2度と戻りたくないと思う大きな試練となり、心身ともに健康であることの大切さをしみじみと感じた日々でした。治療を終えたとき、私は「生かされた。人生は一度しかない。悔いのないように生きたい」と思いました。
けれども、実際には再発への不安もあり、以前のように新しい環境に飛び込んだり、何かに挑戦したりすることが怖くなっていました。仕事を続けながら日々を過ごす一方で、心のどこかには「このままでいいのだろうか」「自分は何も達成できていない」という思いがありました。
そんなとき、改めて目を向けたのが、大好きだった美術やカントリーハウスでした。
ブログを書き、好きな作品や場所について調べ、人に紹介する。小さなアート鑑賞会も始めました。「楽しかった」「絵の見方が変わった」という感想をもらい、自分が好きで学んできたこと、経験してきたことが、誰かにとっても面白く、価値のあるものになる。そのことに気づいたのです。
『ダウントンアビー』との出会い

最初は、カントリーハウスの魅力をそのまま発信していましたが、なかなか広がりませんでした。
そこで、自分の好きな映画やドラマの舞台、ロケ地として紹介してみたところ、少しずつ興味を持ってくれる人が増えていったんです。物語の力って、こんなに大きいんだ、そのことを一番強く実感させてくれたのが、ドラマ『ダウントン・アビー』でした。
第1話の冒頭に痺れました。
大きなお屋敷。
静かに動き始める使用人たち。
朝の準備が整えられていく空間。
私が虜になってきたカントリーハウスの魅力が、あのわずかな時間の場面に描かれていることに、涙が出てしまったんです。これが、『ダウントン・アビー』は、イギリス文化を楽しむための素晴らしい入口になるのではないかと思ったきっかけです。
今度は、私が案内する番です
イタリアで美術史を学ぶきっかけを得て、イギリスで物語を通して英国を深く知る楽しさに出会った。
そして英国を知れば知るほど、ドラマや映画の背景にある歴史、建築、美術、庭園、暮らしへと興味が広がっていきました。
私が夢中になってきたカントリーハウスは、そうした英国文化の魅力がひとつの場所に集まっている存在です。
一軒のお屋敷を知るだけでも、建築、インテリア、絵画、家具、庭園、そこに暮らした家族の歴史、そして英国社会の変化に出会える。知れば知るほど、興味の世界が広がっていくのです。
私は、2人の案内人との出会いによって、自分の知らなかった世界を知り、人生を豊かにする楽しみを見つけました。
今度は私が案内人となって、そんな出会いを誰かに届けたい。
たとえば、今も公爵一家が暮らすアニック城。豪華な図書室のキャビネットの上に、飲みかけのお酒のボトルがごく自然に並んでいて、その中には日本のウイスキーも。ここは博物館ではなく、今も生きている「家」なんだ、と感じた瞬間でした。お屋敷には、こんな小さな発見がたくさんあります。
ドラマや映画を観て「素敵」と感じた気持ちを入り口に、その背景にある歴史や文化を一緒に見ていく。そこからイギリスの歴史や文学、美術に興味が広がり、作品もお屋敷も、今までとは違って見えてくる。そんなふうに、誰かが一生楽しめる新しい世界と出会うきっかけをつくりたいと思っています。
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🎧 ポッドキャスト「英国ドラマタイム」
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訪ねた歴史的邸宅のリスト(47邸)
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