ポッドキャスト「英国ドラマタイム」

#20『ベルグレービア 秘密だらけの邸宅街』26年の時を経て明らかになる愛の物語:ポッドキャスト【英国ドラマタイム】

ポッドキャスト 「英国ドラマタイム」 の書き起こし記事です。この番組では、イギリスの歴史ドラマや映画を取り上げ、作品の魅力や感想、ロケ地の見どころや時代背景について語っています。

今回のエピソードでは、ドラマ「ベルグレービア 秘密だらけの邸宅街」 をご紹介します。19世紀のロンドン高級住宅地を舞台にした全6話のドラマで、Amazon PrimeのスターチャンネルEXなどで見ることができます。

原作は 「ダウントン・アビー」 のプロデューサー、ジュリアン・フェローズによる小説。舞台になっているベルグレービアとは、ロンドンに実在するエリアで、今でも白いタウンハウスが立ち並び、世界でも屈指の高級住宅地として知られています。大使館や大富豪の邸宅が建ち並ぶこの街は、19世紀当時から上流階級の象徴だったのです。

このドラマには実在の地名や人物、出来事が数多く登場しているところも、歴史ドラマとしてのリアリティも楽しめます。

物語の舞台は 19世紀前半のイギリス。そこに暮らす 二つの家族 が織りなす複雑な人間関係と秘密が、26年の時を経て明らかになっていきます。

鍵となるのは、階級の異なる二つの家族。

一方は、ベルグレービアの建設に関わり、労働者階級から成功を収めた トレンチャード家。もう一方は、代々の名門貴族である ブロッケンハースト伯爵家。

この対照的な家族がどのように絡み合い、物語が展開していくのか・・・詳しくは、今回のエピソードで語っています!

『ベルグレービア 秘密だらけの邸宅街』26年の時を経て明らかになる愛の物語

こんにちは、英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマの世界が大好きな私がその魅力を語る番組です。

おすすめのドラマや映画の紹介、見た感想、ロケ地や時代のことなどを話しています。

8月は、ダウントンアビーのプロデューサーとして有名なジュリアンフェローズが手掛けた映画やドラマを取り上げています。

今日は、19世紀のロンドン高級住宅地が舞台のドラマ、ベルグレービアです。

アマゾンプライムのスターチャンネルEXなどで始まった全6話の物語です。

原作はフェローズが書いた小説、舞台のベルグレービアは実在する場所です。

白いタウンハウスが立ち並ぶ、今は世界で最も高価な居住地の一つで、大使館の建物や大富豪の邸宅などになっています。

でも、ロケはこの場所では行えず、エジンバラで撮影されたそうです。

それもそうですよね。重要なエリアを封鎖して撮影するのはとても難しいはずです。

こんな感じで、登場する地名、人物、出来事など、実話がたくさん登場するところが、このドラマのとても面白いところです。

では、ここであらすじを少しだけご紹介します。

19世紀前半のイギリスを舞台に、2つの家族が織りなす複雑な人間関係と秘密が、26年の時を経て明らかになる物語です。

この2つの家族は階級が全く違うんです。

1つの家族はベルグレービアの建設にも関わっている、労働者から成り上がったトレンチャード家。

そしてもう1つは名門のブロッケンハウスと白尺家です。

2家族の出会いは1815年のブリュッセルです。

トレンチャード家当主のジェームスは、皇尺家で開催された武道会に家族と招待されます。

この武道会も本当にあったものです。

物語はフィクションなんですが、訳を固めるように実話がたっぷり織り込まれています。

トレンチャード家の長女のソフィアと、皇尺夫人の老いでブロッケンハウスと白尺家の長男エドマンドは愛し合っています。

武道会に出席していたウェリントン公の下に、ナポレオン軍が進行してきているという知らせが入ります。

そしてこの後、ワーテル軍の戦いに、ウェリントンを率いる軍は勝利しますが、多くの人の運命が変わっていき、エドマンドも戦死してしまいます。

戦場に向かう前に、実はエドマンドはソフィアを騙して偽の結婚していました。

にごもっていたソフィアは、出産で亡くなってしまうという悲劇が起こります。

それから26年後の1842年、物語はロンドンのベルグレイビアへと移ります。

ソフィアの母アン・トレンチャードは、あるお茶会で思いがけない人に出会います。

それがブロッケンハウスと白尺夫人です。

ここでアンは、長年隠してきた家族の秘密を打ち明けることに決める。

ストーリーをもっと語りたくなっちゃうんですけど、今日はここまでにしておきます。

結構最後までハラハラドキドキして見てみることができるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

このハラハラドキドキが増しているのは、裏で何を考えているのかわからないという人がたくさん登場するからなんですよね。

誰を信じて誰を信じない方がいいのか、癖の強い人がたくさん登場します。

26年後に登場するもう一組のカップルの行方もどうなるのか、これも後半の物語の中心になっていきます。

さて、トレンチャード家は、軍に武士を提供して、ワーテルローの戦いでも大活躍するという商人でした。

26年後のロンドンでは、歴史的な通りや広場の多くを開発したキュービと兄弟たちとパートナーとなって、不動産開発でも大成功します。

まるで貴族のような生活をしているんです。

ワーテルローの戦いも、キュービと兄弟たちの開発も実際の出来事です。

さらに興味深いのは、今日本でも大人気のアフタノンティーが、どのように出来て人気になっていたのか、というのも登場します。

第1話で、アント・レンチャードが、シグシグの発行されたはずの招待状を受け取って、ベトフォード公爵婦人主催の会を訪問します。

そこで楽しまれていたのがアフタノンティー。

第7代ベトフォード公爵婦人のアンナ・マリア・ラッセルは、実際にベルグレービアに住んでいて、

ここの場所ではないのですが、アフタノンティーを考案したと考えられているのです。

このきっかけは、どんどんとくそくなっていく夕食時間までの空腹対策でした。

もともと夕食の時間は今よりもずっと早くて、4時とか5時にスタートして、7時や8時まで。

そしてこの後に劇場やオペラに出かけて、その後また食事をする。

夕食の後の時間が夜の社交タイムだったのです。

でも1830年代になると、ロンドンからどんどんと夕食時間が遅くなっていき、

それがイギリス中に広まっていく。夕食自体が夜の中心的なイベントになっていったのです。

ドラマの中でも、第2話で登場する伯爵家のカントリーハウスでの夕食は、4時半となっていたのです。

そこに訪れた伯爵の弟家族は、最近のロンドンでは6時すぎなのに早すぎるとご文句を言っていました。

昼食と夕食の間に何かを軽くつまむことはあったのですが、

伯爵夫人はサンドウィッチやケーキなどいろいろなものを、

テーブルを囲んでではなく部屋のどこでも食べられるようにカップや皿が運ばれてくるスタイルに作り上げました。

この習慣がとても気に入ったので、すぐに友人たちを招いて一緒に楽しむようになって、

アフタヌンティーはたちまち中流階級や上流階級の家庭で定着して、親しい人々と共に楽しむ瞬間になっていったのです。

ドラマの中でも大きなテーブルにティーやお菓子が用意されていて、

休事係がティーカップをこう手渡してくれるんですね。

ソファに座って同席した人と会話を楽しんでいましたよね。

おいしそうなお菓子はお皿に乗せられて運ばれていっていました。

いろいろな人と会話が楽しめるっていう利点もあったようです。

今の3段のお皿に乗せられたアフタヌンティーになったのは、さらにその後のことです。

このドラマの中でベトコード公爵人はちょっと嫌な感じで描かれていました。

このように、実在する人物もたくさん登場するので、フェローズはそのあたりをどうやって決めていったのかなと考えちゃいました。

このドラマを見ていて、同じ人物でもたくさんの呼び方があって、

ただでさえ登場人物が多いのに、余計に頭が混乱してしまうことがありました。

例えば、ブロッケンハースト伯爵夫人、彼女のことを人はレイディ・ブロッケンハーストと呼びます。

具体的な名前を言わない呼びかけにはYour Ladyshipと言われますし、使用人たちはMy Ladyと呼びます。

本名はキャロラインベラシスなので、親しい人たちはキャロラインと呼びます。

ちょっとややこしいですよね。

次回は、こういったドラマの中のタイトルや名前の呼び方についてです。

ぜひ聞いてくださいね。

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