お屋敷訪問記

ウォリントン(Wallington)の壁に囲まれたイングリッシュガーデン

2024-02-14

2023年9月イングランド北部、スコットランドに近いノーサンバーランドの旅行の4日目は、旅の拠点地Wallington(ウォリントン)を見学する1日でした。

邸宅のドアが開き中の見学ができるまでの間、Walled Gardenと呼ばれる壁に囲まれた中にある美しい庭園の見学です。

前日の夕方、敷地内に宿泊している特権!で閉園後の敷地内を散策した時は、壁の中の庭園は閉まっていました。横を通りすぎながらどんな世界が広がっているのか想像を広げていました。

さぁ、この日も朝から雲もないような本当にいい天気でした。(イギリスらしくない??)

それではお庭をご紹介します

ウォリントン(Wallington)のウォールド・ガーデン(Walled Garden)とは

壁に囲われた庭園という名前の通り、入り口がちゃんとあります。素敵なドアを開けてここから中へ入ります。

中に入る前に少し庭園の歴史を振り返ります。

1886年、サー・ジョージ・オットー・トレヴェリアンという人物がここウォリントン(Wallington)の広大な土地と邸宅を相続し、彼はすぐに庭園整備を始めました。イタリアからテラコッタの壺やガーデン門を取り寄せて使用しています。

邸宅からこちらの庭園へは、森を抜けて、鴨や鳥が泳ぐ大きな池を通り過ぎて歩いて行く必要があります。ずいぶんと離れているのです。このような配置は、一般的な壁で囲まれた庭園とは違うスタイルのようです。

さらにこの庭園は、もともとはキッチンガーデンだったそうなのです。大きなカントリーハウスの家族・スタッフ・ゲストのための食料、ハーブ、花を育てるための庭。壁で囲うことによって、野生動物に食べられたり、自然被害から守る目的がありました。壁により保持された熱が壁に沿って育てらた果樹の生産にも役立っていたというわけです。

今では野菜やフルーツは、外で購入するものが一般的で、しかも私たちはそれらを間接的ではありますが世界中から購入しています。キッチンガーデンは、その役割を果たしていたようです。

1950年代半ばから保護団体ナショナル・トラスト(NT)の管理下に入り、専門家の指導のもとで生まれ変わり管理させています。

邸宅と庭園の位置関係

邸宅から庭園まではかなり離れていると先ほどご紹介しましたが、位置関係を知ってもらうために地図を用意しました。

下の地図はウォリントン(Wallington)の全体像ですが、右の紫の丸で囲んだところが今回ご紹介するWalled Gardenです。Wallington Houseから歩くとおよそ15分から20分くらいの距離でした。

下は地図をさらに拡大したものです。
庭園までの道のりは本当に森の中を歩いていくような感じです。オレンジ色の点線の道を歩いて向かいます。16番に見えるのは車が通る一般道。広い敷地内を一般の車が通れるように道路走っているんです!

16番の道路を横切り森の中を歩いていくと、チェンソーアーティストによって作られたアート作品も置いてありました。視線を奥の方まで持っていっていただくと、これが折れた木であることに気がつきます?天災などで倒れた木もこうやって活かしているのだそうです。

木の精?目が鋭くなかなかインパクトのある作品です。

こちらはGarden Pond。こちらの大きな池の横にある道を歩いていくとまもなくです。鴨やたくさんの鳥たちが泳いでいるのどかな風景でした。

ウォールド・ガーデンの中へ

いよいよウォールド・ガーデンです。

少し前後してしまいましたが、先ほど見た門を開いて中に入るとこの景色が広がっています。丸い池と、それを取り囲むように階段があります。入口の方が少し高くなっていて、庭園を見渡し降りてくるような、素晴らしいアプローチになっています。

古い石を湾曲させて作った階段とその下の池は、サー・ジョージ・オットー・トレヴェリアンの息子嫁のレディ・トレヴェリアンが、1938年に手掛けました。彼女の名前をとってこの丸い池はMary Pool (メアリー・プール)と名付けられています。周辺にはナショナルトラストによってクレマチス、フィラデルフィア、バラなどが植えられているそうです。さらに両側には、日本の楓とスイカズラも植えられています

メアリーのご主人、チャールズ卿も森や庭園で働くのが大好きで、子供たちも片付けや焚き火を作るのを手伝っていたのだとか。庭師だけではなく、家族も一丸となってこの美しい庭園は作られていたんですね!

庭園を中を散策

ここからは庭園内の写真を次々にご紹介します。
青空に緑や花の色が映えて本当に美しかったです。

庭園の雰囲気にぴったりのベンチに座ってゆっくり景色を楽しみます。

ウォールドガーデンは2段構造になってて、上の方に見えている石の壁の向こうにもここと同じように道がありました。

上に上がると先ほど私が座っていたベンチが見えます。遠くの方に広がっているエリアも、ウォリントンの敷地です。どこまでもなだらかな緑の芝生が続いていて美しいです!!

1908年に完成した温室、Winter Gardenです。建物の三角部分(ペディメントと呼びます)の上には、ウォリントンのシンボルのようにあちこちにみられたフクロウの彫刻が乗っています。

温室の中は現在入れませんでしたが、このような説明がありました。

温室の将来の計画。
温室は1908年以来、壁に囲まれた庭園の重要な部分であり、庭園の次の章を計画する時に考慮するべきことがたくさんあります。
今後数ヶ月で、最近の調査の結果を確認し、この長期計画をまとめます。決定されましたら、皆さんにお知らせすることを楽しみにしています。

邸宅やその他のエリアにもこんな表示がいくつかありました。
今どんなことをしているのか、今後どうなって行くのか、またぜひ遊びにきてください、これからも見守ってくださいね、という感じが伝わってきて、とても素敵だなと感じました。

たくさんの木でできたトンネル。こんな美しい場所で毎日過ごすことができたらどんなに素敵だろうなぁーと思いながら歩いていました。

こちらはRhubarb(ルバーブ)。食べたことありますか?

肉食中心の食事をする欧米では、古くから食卓に欠かせない食材として広く栽培されていた野菜。繊維質が豊富で、ビタミンC、カリウムやカルシウムも多いため、お通じを良くし肌の調子を整える効果もあるのだとか。茎の赤いところを食べます。
私はこの茎の部分しか見たことがなかったので、こんなに大きな葉っぱなのだ!と今回初めて見てびっくり。見事な葉っぱですが、有毒ということなので見たことがなかったわけです。

ルバーブはジャムやデザートとして使われることが多いようです。ちょっと酸味があって、熱を加えるととろみが出ます。

今回は、ウォリントン(Wallington)の壁に囲まれた美しい庭園をご紹介しました。

ウォリントン(Wallington)の基本情報

Wallington ウォリントン
住所:Cambo, near Morpeth, Northumberland, NE61 4AR
公式サイト:https://www.nationaltrust.org.uk/visit/north-east/wallington



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