『ギルディット・エイジ』は、19世紀後半のアメリカを舞台に、激動の時代に生きる人々の姿を華やかに、そして繊細に描き出す歴史ドラマです。
シーズン1のあらすじはこちらから
待望のシーズン2は、2023年10月29日から放送がスタート。
舞台は引き続き1880年代のニューヨーク。華麗な社交界、激化する階級闘争、そして登場人物たちの野心と葛藤が、より一層ドラマティックに展開していきます。
前作で強い印象を残したバーサ・ラッセルとアスター夫人の“オペラ戦争”がついに本格化。伝統を誇るアカデミー・オブ・ミュージックと、新興勢力の象徴・メトロポリタン・オペラをめぐって、社交界が二分されていきます。
一方、マリアンやペギー、エイダたちもそれぞれの道を模索し始め、恋愛・仕事・家族との関係に大きな変化が訪れます。
労働争議、教育制度、人種差別といった当時の社会問題も色濃く描かれ、物語はますます多層的に。
豪華な衣装と重厚な美術、実在の人物や史実に基づいたエピソードの数々が、視聴者を1880年代のアメリカへと引き込んでいきます。
『ダウントン・アビー』のジュリアン・フェロウズが手がける本作は、単なる歴史劇にとどまらず、「新しいアメリカ」が形づくられていく瞬間を、女性たちのまなざしを通して鮮やかに描き出します。
この記事では、『ギルディット・エイジ』シーズン2のあらすじを全話ご紹介していきます。ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意くださいね!
第1話「You Don't Even Like Opera(オペラは社交場)」
1883年、イースターの日曜日──アメリカが静かに動き出す
フィラデルフィアの黒人教会では、スコット家が敬虔な祈りを捧げ、一方、五番街の聖トーマス聖公会教会では、アスター家、ラッセル家、ヴァン・ライン家といった名だたる上流階級が列席する。その日、新しい牧師、リューク・フォルテが初めて講壇に立った。
アグネスの義理の甥、未亡人のダシエル・モンゴメリーが、幼い娘フランシスとともにニューヨークへやって来る。
そのころマリアンは、かつて想いを寄せたトム・レイクスが、ミス・ビンガムと結婚することを知る──。
オペラ界では、バーサがついに動く。
アスター夫人に無視された彼女は、歴史あるアカデミーではなく、新たに設立されたメトロポリタン・オペラを支持する決断を下す。
新興富裕層にボックス席を買わせ、その流れで“本物の上流社会”までも引き込もうという、緻密な戦略だ。
一方、ジョージたち実業家には、労働問題という火種が近づいていた。
オスカーは血を流した姿でアグネスの屋敷に現れる。秘密の関係を抱えながらも、家名と財産のためにグラディスに結婚を申し込む。彼が提示したのは「自由」という名の契約だった。
バーサは、オペラ界の要人たちを招いた晩餐会で、有名オペラ歌手を登場させる──
彼女の影響力が、確かなかたちをとって見え始めた瞬間だった。
そして、ペギーとその両親は、フィラデルフィアで息子を養子に迎えた家族と向き合う。
交わされる視線、静かな決意。新たな時間が、確かに動き始めていた。
第2話「Some Sort of Trick(思いがけない事実)」
愛か、野心か──それぞれの選択が動き出す
オスカーからのプロポーズが決まるまで、グラディスはニューポート行きを拒み続けていた。
だが、オスカーの本当の意図を知るジョージは、彼女に「愛のために結婚を」と説得する。母親からの逃避ではなく、心で選ぶことを──。
マリアンは、アグネスの反対にもかかわらず、水彩画の教室をやめないと決める。
アグネスは、秘書として再び働き始めるペギーに対し、アームストロングに敬意をもって接するよう忠告する。
ニューポートでは、裕福な未亡人スーザン・ブレインが、ラリーに邸宅の改装を依頼。二人の関係は次第に親密になっていくが、それを知ったバーサは快く思わない。
オーロラ・フェインは、マリアンとエドワード・モーガンを引き合わせようとする。だがその男は、酔って気取るばかりの退屈な人物だった。
シカゴでは、鉄鋼労働者たちが待遇改善を求めてストライキを開始。
ジョージは同じ問題をピッツバーグで起こさないよう、労働組合代表に金を渡そうとするが、拒まれてしまう。
そして、ラッセル家を驚かせる知らせが──。
裕福なウィンタートン氏の新妻イーニッドが、かつてバーサのメイドだったターナーだったのだ。
その頃エイダは、独身の牧師フォルテに、ひそかに心惹かれ始めていた。
第3話「Head to Head(直接対決)」
選ばれるのは、伝統か、革新か──オペラ戦争は新たな局面へ
バーサとアスター夫人のあいだで続く“オペラ戦争”が、さらに激しさを増す。
バーサは、バッキンガム公爵のニューヨーク訪問を心待ちにしていた。
ダシエルはマリアンに想いを寄せるが、マリアンの心は定まらない。
バーサは、ニューヨーク上流社会に、アカデミー・オブ・ミュージックかメトロポリタン・オペラかの二者択一を迫るよう巧みに動く。
アスター夫人は、アグネスに協力を求め、アカデミー支持の後押しを図る。
一方ピッツバーグでは、ジョージが労働組合を崩そうと買収を試みるが、組合のリーダーであるヘンダーソン氏に拒否される。
バーサは、ウィンタートン夫人(かつてのメイド、ターナー)が過去の“ある出来事”を口にしたことを受けて、ジョージを問い詰める。
何もなかったという彼の言葉を信じつつも、それを黙っていたことに怒りを露わにする。
ペギーは、アラバマ州タスキーギにある黒人学校の寮開設の取材を担当するが、スコット夫妻は、彼女が現地の人種差別を甘く見ているのではと案じている。
その頃、ニューヨークでは劇作家オスカー・ワイルドが、自作『ヴェラ あるいは虚無主義者たち』の公演のために滞在。
彼は、かつてオスカー・ヴァン・ラインの恋人だったジョン・アダムズに惹かれる。
ワトソンには、裕福な義理の息子マクニール氏が、金銭的援助と引き換えに離れて暮らすよう申し出る。
だがワトソンは、娘フローラ本人の口から望まれるまでは動かないと決めていた。
エイダは、牧師フォルテとひそやかに時間を重ねていく──。
第4話「His Grace the Duke(公爵閣下 )」
未完成の劇場、揺れる人間関係──勝負はすでに始まっている
バーサは、アウロラ・フェインやウィンタートン夫人らを新設中のメトロポリタン・オペラハウスに案内し、ボックス席の購入を促す。
だが密かに、ギルバート氏から資金難によって工事が一時中断していると知らされる。問題はすぐに解決されるものの、先の見えない不安が垣間見える。
その一方で、バーサの強い意向により、スーザン・ブレインはラリーとの関係を終わらせる。
ニューヨークでは、エイダがフォルテ牧師のプロポーズを受け入れる。
オスカーは、次なる結婚相手として、ジェイ・グールドの非嫡出の娘とも噂される裕福なモード・ビートンに狙いを定める。
アスター夫人は、ウィンタートン氏に対し、妻ターナーの出自を理由にアカデミー・オブ・ミュージックのボックス席を返上するよう求める。これをきっかけに、ウィンタートン氏はメトを支持することを決意する。
バーサは晩餐会で、席次カードをこっそり入れ替え、公爵の隣の席を自分のものに。結果、ウィンタートン夫人は遠ざけられ、公爵はバーサの招待を受け入れてニューポートのラッセル家に滞在することを決める。自ら招いていたウィンタートン夫人は怒りを隠せない。
一方、タスキーギでは、ペギーとフォーチュンがブッカー・T・ワシントン夫妻の家に滞在していた。
そのころ、ジョージをはじめとする実業家たちは、迫り来る労働争議に備え、裏でその力を封じ込めようと画策していた──。
第5話「Close Enough to Touch(触れられるほど近く)」
仕組まれた陰謀と、揺れる心──ひとつの夜がすべてを映し出す
バッキンガム公爵を迎えるラッセル家の豪華な晩餐会。
その成功を妨げようと、2人の使用人が密かに妨害を企てるが、ワトソンとチャーチの迅速な対応により、最悪の事態は回避される。
晩餐会が華々しく成功したことで、計画の黒幕だったウィンタートン夫人は苦々しさを隠せない。
エイダとフォルテ牧師の婚約に、マリアンもオスカーも喜ぶが、アグネスは強く反対する。
しかし、アグネスがフォルテに対して、どれだけエイダに依存し、ひとりになることを恐れているかを明かすと、彼は「これからも私たちの人生にエイダはいる」と約束する。
オスカーは、実業家クロウザー氏と出会い、彼の一団がシカゴ=アトランティック鉄道の買収を進めていると聞く。
そこにはミス・ビートンも投資しており、オスカーは自らも出資を決意する。
一方、タスキーギでは、ペギーとフォーチュンがレストランで白人男性に脅される。フォーチュンが毅然とした態度を取ったことで、2人は逃げ出すことになり、身を隠す中でロマンチックなキスを交わす。
ジョージはラリーを、ブルックリン橋の開通に関する評議会の会合に送り出す。
そこでラリーは、病床の技師ワシントン・ローリングの代わりに、彼の妻エミリーがプロジェクトを率いていたことを知る。
そしてついに、アグネスは心を動かされ、フォルテとエイダの結婚式に出席するのだった。
第6話「Warning Shots( 威嚇射撃)」
奪われた席、交差する想い──それぞれのプライドが動き出す
メトロポリタン・オペラを巡る駆け引きが続くなか、ウィンタートン夫人は、バーサが持つ中央のボックス席を譲るよう迫る。
その頃、ラッセル家の執事バニスターは、酔ったチャーチの様子を目にし、手紙で報告しようとするが、それが妻の死から30年目の夜だったことを知り、手紙を開封される前に取り戻す。そして二人の間の確執に、そっと終止符が打たれる。
そんな中、目覚まし時計の特許を夢見るジャックのために、バニスターや屋敷のスタッフ、マリアンとアグネスも資金を出し合う。
だが申請は却下される。理由は、彼がどの時計職人ギルドにも属していないからだった。
一方オスカーは、即金の利益を避け、クロウザーの鉄道会社にさらなる投資を決意。
ペギーは、黒人学校の閉鎖について調査を進めるよう、フォーチュンに依頼する。
そんな中、バーサが中央ボックス席を譲る気配を見せないことに、ウィンタートン夫人は苛立ちを募らせる。
だが、実はジョージがひそかにメトの建設費を肩代わりしていた。
この力を背景に、ジョージはギルバート氏に圧力をかけ、バーサに中央席を確保させる──ウィンタートン夫人の要求は、静かに打ち砕かれた。
バーサは、公爵をその席に迎えることで、社交界での地位を一気に押し上げようとしていた。
その一方で、ダシエルはマリアンに対して人前で突然のプロポーズをし、マリアンはその場で受け入れる。
エイダとフォルテ牧師が新婚旅行から戻って間もなく、彼にがんが見つかる。
そしてピッツバーグでは、ストライキを続ける労働者たちに対し、ジョージが兵士を使って鎮圧する寸前まで迫る。
だが最後の瞬間、彼は兵の出動を思いとどまり、対話に応じる道を選ぶ。
第7話「Wonders Never Cease(この世は驚きの連続 )」
失われるもの、残されるもの──静かに、そして確かに揺れ動く
労働者との交渉に応じたジョージだったが、その裏では組合を潰す新たな計画を巡らせていた。
一方、アスター夫人はバーサに、音楽アカデミーのボックス席を申し出る。
その意図を察したジョージは、バーサの影響力を削ぐための策略だと考え、彼女にメトロポリタン・オペラに留まるよう強く勧める。
黒人学校を存続させるため、学校側は、貧しい白人家庭の子どもを引き込む手段として、アイルランド系教師との連携を模索し始める。
ブルックリン橋のレセプションでは、ラリーがローブリング夫人のリーダーシップを称賛する。
その頃アグネスは、マリアンの結婚の準備を進めながら、フォルテ牧師の病状が深刻化していくのを見守っていた。
オスカーはミス・ビートンにプロポーズしようとするが、彼女もクロウザーも、そして自らの投資金も、忽然と姿を消していた。
ワトソンのもとには娘フローラが訪れ、自分は父にニューヨークを離れてほしいと望んでいたわけではないと告げる。
彼は年金を受け取れることになり、改めて家族の一員として迎え入れられる。
バニスターは、ジャックが時計職人ギルドへの入会を果たせるよう手助けする。これにより、ジャックの目覚まし時計の特許申請は承認される。
やがて、フォルテの最期が近づく。
アグネスは、エイダに新しい人生を与えてくれたことに心から感謝し、その思いを牧師に伝える。
そしてオスカーは、アグネスに告げる。
「ヴァン・ライン家の財産は、ほとんどすべて失われた」と──。
第8話「In Terms of Winning and Losing( 争いの決着)」
選ばれる夜──すべての駆け引きが、ひとつの決着へと向かう
1883年10月、ふたつのオペラハウスが同じ夜に開幕を迎えようとしていた。
パトロンたちは、アカデミー・オブ・ミュージックかメトロポリタン・オペラか、どちらを支持するか選ばなければならない。
アスター夫人は、バッキンガム公爵を自分のゲストとして引き入れ、バーサの計画に一矢報いようとする。
だがバーサは、公爵を取り戻すため、密かに動き出す。
一方、オスカーの投資失敗を受けて、エイダ、アグネス、マリアンは屋敷を売りに出す準備を進める。
マリアンは、ダシエルとの婚約を解消。互いの違いの大きさを理由に、自らの意思で別れを選ぶ。
ニューヨーク教育委員会が黒人学校をすべて閉鎖しようと企てるが、密かな計画は阻止される。
ジャックの特許が通ったあと、ラリーは彼に協力関係を持ちかける。
その夜、マリアンはラッセル家とともにメトロポリタン・オペラへ向かい、これがアグネスの不満を招く。
ワトソンはラッセル家を去り、ペギーはフォーチュンとの関係を避けるため、『グローブ』紙を辞める決断をする。
ウィンタートン夫人は、中央ボックス席を失ったことに激怒。
そしてついに、バッキンガム公爵がメトロポリタン・オペラに姿を現し、バーサのゲストとして登場する。
彼女がどうやって彼を呼び戻したのかは明かされないが、財政難にある公爵にグラディスとの結婚と莫大な持参金をほのめかしたのでは…と暗示される。
この夜、大多数のパトロンはメトロポリタン・オペラを選び、アカデミーは閑散としたまま。バーサの勝利が、決定的なものとなる。
バーサの計らいで、ミセス・ブルースと料理長ボーデンもオペラの夜をともに楽しむことができた。
そのころ、エイダは亡きフォルテが密かに財を残していたことを知る。
これにより家を売る必要がなくなり、彼女とアグネスの関係にも新たな変化が生まれる。
メトロポリタン・オペラの帰り道、ラリーはマリアンを家まで送り届け、ふたりは静かに、そして確かに、唇を重ねる──。
まとめ
あー今回もハラハラ、ドキドキがあり、感動あり、涙ありでした。
今回もバーサの勝利で、メトロポリタンオペラは大成功でした。古いしきたりや価値観にしがみついていた、アスター夫人側は負けてしまい、また新しい道が開たんですね。
個人的には、ターナーの変身劇が面白かった。負けるのはわかっているけれど、どうやって立ち回るのか、次はどんな手を使ってくるのか楽しみにさせてもらいました。
次回はついにグラディスが公爵夫人へ?
マリアンはラリーと結婚する?
エイダが新しい主人となって家を支えていく?
そこにどんな展開が広がっていくのか、シーズン3が待ち遠しいです!!
ギルデット・エイジ』は日本では現在U-NEXTでの放送のみのようです。まだ見ていない方はぜひこちらから登録をしてシーズン1&2を合わせて堪能してください。(ダウントン・アビーとなっていますが、登録方法は同じです)