『ダウントン・アビー』
20世紀初めの架空のイギリス貴族のお屋敷ダウントン・アビーを舞台に、貴族とその使用人たちをめぐるドラマと映画のシリーズ。
このお屋敷名が「ダウントン・アビー」とつけられた理由知っていますか?ドラマ製作責任者のジュリアン・フェローズが、この名前に行き着いた意味を今さらながら知ったので、ここに書いておきたいと思います。
邸宅が先祖代々受け継がれてきたように、名前にもフェローズ家の歴史が詰まっていました!
「ダウントン・アビー」の意味
ドラマ、『ダウントン・アビー』に登場するイギリス、ヨークシャーにあるという架空のダウントン村にある貴族の邸宅を”ダウントン・アビーと言います。グランサム伯爵位を代々受け継いでいる、クローリー家の本拠地です。
実在するカーナヴォン伯爵家のハイクレア城が撮影場所です。
Downton /ダウントン村は、邸宅だけでなく村そのものが伯爵家の所有や、貴族として地域社会に貢献する様子を示す場所になっています。村や住民たちは、シリーズを通じて色々な物語に絡んできまよね。クローリー家のメンバーや使用人たちが村の住人と交流する場面もたくさん登場しますし、地域社会のイベントや祝祭、村の日常生活が描かれています。
Abbey/アビーという言葉は、もともとキリスト教の修道院や僧院を指す言葉で、特に中世のヨーロッパにおいては宗教的な共同体が住む場所とでした。イギリスには実際に修道院が存在した場所に建てられた邸宅などには、〇〇アビーとつけられていることがあります。
「ダウントン・アビー」と名付けられた理由
「ダウントン・アビー」の制作責任者、ジュリアン・フェローズは、クローリー家の邸宅を”ダウントン・アビー”と名付けた理由を説明していました。
▼2016年のインタビュー記事です。
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It’s NOT ‘Downtown Abbey’! It’s ‘Downton’! But why? | The Seattle Times
NEW YORK (AP) — After six seasons, people get it: The name of that series is "Downton Abbey." Not "D ...
www.seattletimes.com
ダウントン・アビーの名前には、彼の個人的なことがたくさん詰まっていてとても興味深いです!!
記事の内容を説明すると・・・
フェローズが尊敬している曽祖父、ジョン・ライトソン教授は実験的な農場をおこなった人でした。ウィルトシャーにチャーフォード・マナー(Charford Monar)という邸宅を持ってたので、そこから名前を取ってCharford Abbeyにしようと考えました。
しかしCharford Abbeyは”Cranford”に綴りも読み方も似ているということで却下。
「Cranford /クランフォード」は、エリザベス・ギャスケルの小説で、19世紀のイギリスの架空の町クランフォードを舞台にした物語です。こちらもBBCのドラマになっていて紛らわしいからやめたのだそうです。
その次に考えられたのが、ライトソン教授が1880年にチャーフォード・マナー内に設立したダウントン農業大学(Downton Agricultural College)。この大学は、1906年の閉校まで続いたイングランドの3番目の農業大学でした。
大学名からDowntonをもらい、フェローズ家が代々所有していた邸宅ラムゼイ・アビー(Romsey Abbey)からAbbeyを。二つをくっつけて Downton Abbey という名前が生まれました。
名前には、フェローズ家の歴史や農業への貢献に対する敬意や尊敬が含まれていて、ただのドラマのタイトル以上の意味があるのだなと感動しました。
こんなことに興味がある方ほとんどいないかもしれないのですが、裏側にある理由に興味がある私は飛びついて調べてしまいました・・・
小さな発見が、「ダウントン・アビー」をさらに楽しめるきっかけとなることがとても嬉しいです。