「ダウントンアビー」シーズン1の第2話のタイトルは、「招かれざる客」。
歓迎されていないにやってきてしまった1組と1人が、ダウントンアビーにハプニングを巻き起こす回です。
その迷惑なお客様とは??
1組は、新しく伯爵家の相続人となったマシューとイゾベル親子。そしてもう1人は、執事カーソンのかつての仕事仲間のチャールズです。
彼らの存在はトラブル発生!!って感じに思えるんですが、実はこれがそうでもない。彼らが、そしてダウントンの人たちがどうなるのかが見ものです。
▼ポッドキャスト「英国ドラマタイム」でも第2話の見どころを語っています
第2話「招かれざる客」のあらすじ
1912年9月のこと、ダウントンの新相続人として指名された遠縁の弁護士マシュー・クローリーとその母イゾベルは、敷地内にあるクローリーハウスに引っ越してくるところからスタートします。
すぐに2人はダウントン・アビーでのディナーに招かれる。しかし、中流階級の親戚に一家の思いは複雑で、特に長女のレディ・メアリーはそこまで言う?というくらい嫌悪感を出します。
そして、マシューの方も貴族の暮らしに染まらないぞ!!と、執事のモールズリーをほったらかしに。モールズリーは、マシューの着替えを手伝わしてもらえず、そばでぼーと佇むことしかできない・・・と様子を見にきたベイツにぼやきます。
マシューの母イゾベルは看護師の訓練を受けた医師の未亡人。グランサム伯爵夫人が院長を務める地元の病院で「何か役に立ちたい!」と手伝いを始めることに。そして命の危険がある患者に新しい施術を行うことをドクターに強く進言していくのだが、伯爵夫人ヴァイオレットは気に食わない。
階下の使用人たちもマシューたち親子には興味深々。その中には、2人を馬鹿にするような発言をする悪巧みコンビ、オブライエンとトーマスがいます。
そしてもう1人の招かざる客は、執事カーソンのかつての仕事仲間。過去を暴き笑い物にするために、カーソンを脅迫して宿やお金を支払わせているのだ・・・
でも伯爵の信頼を全面的に受けているカーソンは、見事に救われる。カーソンのちょっと隠したい過去を知ったベイツは、カーソンへの見方が変わります。(良い方に!)
カーソンがどんな過去を持っているのか、ぜひドラマを見て確認してください。彼の意外な過去の職業に、ベイツと同じようにカーソンへの見方が変わりますよ!!
レディ・メアリーが語った”アンドロメダの神話”
「アンドロメダの神話を知ってる?」
ディナーの席で、メアリーはマシューに尋ねます。
メアリーが語るのはこんな話。
父親ケーベウス王の国が嵐に襲われる。 神々の怒りを鎮めるために、長女を海の怪物に差し出した。 裸のまま鎖に・・・ 神の子ペルセウスに助けらられた
「彼となら釣り合うわ」とメアリーは言います。
アンドロメダの神話とは、ギリシア神話の中の、ペルセウスとアンドロメダの物語。
ペルセウスはメデューサを退治しに行った帰り道、岩にくくり付けられているアンドロメダを見つけます。彼女を助けるために、ペルセウスは海の怪物と戦います。
▼下の絵は、イギリスの画家エドワード・バーン=ジョーンズが描いたアンドロメダとペルセウス。ペルセウスが巨大な蛇のようなドラゴンのような怪物と戦っています。
なぜメアリーはこんな話を持ち出したのかわかりますか?
アンドロメダを自分に、海の怪物をマシューに例えているのです。グランサム伯爵は、自分の娘を怪物に差し出した酷いケーベウス王でしょうか。
自分には怪物であるマシューにはふさわしくない、神の子であるベルセウスが釣り合っていると言っているのです。
それに対してマシューは、「王女や怪物のことを知らないのに、ペルセウスがふさわしいとは限らない」と言ったのです。
自分たちもお互いを十分に理解していない状態で、釣り合わないと断言するのは早い。マシューはこの段階ですでにメアリーに心を奪われている様子ですもんね。自分にも可能性はあるのだと、そう言いたかったのだと思います。
この2人のやりとりに驚いた顔をしているヴァイオレット。そしてどことなくニヤリとしたような伯爵の顔にも注目です。
こんなふうにさりげなくギリシア神話が出てくるあたり、さすが教養のある身分の人々なんだなと感じますよね。