イギリスには24人の公爵がいます(王室公爵は除くと)。(参照https://debretts.com/)
その中の1人ウェストミンスター公爵が、来月2024年6月7日に結婚されます。1年前の2023年4月に婚約が発表されていて、英国王室のようなこの結婚のインパクトはどんなものだろうと関心があります。
現在の公爵は、第7代ウェストミンスター公爵のヒュー・グロブナー氏。2016年父親で第6代公爵ジェラルド・キャベンディッシュ・グロブナー氏が64歳という若さで亡くなられ、その跡を継いだ若い公爵。その時はまだ26歳でした。
2016年にイギリスのチェスターにある公爵がオーナーのチェスターグロブナーホテル(The Chester Grosvenor)に滞在したことをブログに書いています。
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【貴族がオーナーのホテル】 チェスターグロブナーでの優雅な休日 - Cosiness and Adventure
イギリス、チェスター旅行記。2回目は、チェスターを代表するホテルの紹介です!(こちらの旅行記は2016年5月の旅の記事です) ▼ボートに乗ってチェスターの豪邸を楽しんだ旅行記1回目はこちら。豪邸の写真
cosinessandadventure.com
この記事を書いた2017年に調べたところによると、グロブナー家の資産は108億ドル(約1兆1000億円)。これは世界68位で英国3位の富豪なんだそうです。
ロンドンの高級住宅地に190エーカー(東京ドームに換算すると約16.5個分)を所有するほか、英国各地に土地を所有しています。その他にも食品、農業技術、農村部の不動産管理、慈善活動の支援など、幅広い活動を行う国際的な組織となっています。
結婚ニュースを知ったこの機会に、公爵の邸宅Eaton Hall(イートンホール)が見学ができるのか改めて調べてみました。
この記事の画像は1860年代に撮影されたEaton Hallの写真です。(photo: public domain, The J. Paul Getty Museum)
実際に自分も検索してみる
ウェストミンスター公爵の結婚式は、2024年6月7日にチェスター大聖堂で行われるということでした。
お相手のオリヴィア・ヘンソンさんはオリーブオイルで有名な高級食品メーカー「ベラズ」で働いていて、公爵はお屋敷のイートンホールでプロポーズをしたという情報まですぐ調べることができました。(すごいですね)
素敵なカップルの写真はこちらからどうぞ
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The Duke of Westminster, Prince George’s billionaire godfather, reveals his wedding date and location | Tatler
Hugh Grosvenor and Olivia Henson will marry next year on 7 June at Chester Cathedral
www.tatler.com
挙式が行われるというチェスター大聖堂は、その美しさもウェストミンスター寺院並みです!
10世紀のサクソン教会の跡地に建てられ、その後修道院になりノルマン様式の教会が建てられました。当時の一部は今も残っています‼️
1250年頃から建物の再建が始まり、250年かけて今日の姿になっています。ヘンリー8世によって修道院は解散させられますが、新しくチェスター教区の大聖堂になり今日に続いています。
大聖堂の中庭は、噴水や彫刻があり中世の雰囲気も残るゆったりとした時間の流れる空間でした。
「The Water of Life」という彫刻作品で、作者はSteven Broadbent。
新約聖書の一節の"不滅の命を与える水"というタイトル。庭園ではハーブが栽培され、池には食料になる魚が飼われていたそうです。
緑いっぱい、教会の鐘の音が聞こえる中庭は、一瞬にして、私達を中世の世界に連れて行ってくれます。
1991年生まれの公爵は、第6代ウェストミンスター公爵の長男。公爵は母親を通じてロシア皇帝ニコライ1世やロマノフ家の子孫なのだそうです。
公爵家は英王室ともつながりが深いので、国王夫妻や皇太子夫妻も式に出席をされるのではないでしょうか。
公爵は、皇太子夫妻の長男ジョージ王子のGodfather(ゴットファーザーは名付け親や代父のような役割)にもなっています。公爵のGodfatherはチャールズ国王です。
ウェストミンスタ公爵所有のイートン・ホールのオープンデー
イートン・ホールは、ウェストミンスター公爵所有のカントリーハウスです。こちらは一般には公開されていないということで、以前から私は見にいくことはできないところ・・・と諦めていました。
イートンホールの全貌が見える画像です。とても見応えありますよ。
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aerial view of Eaton Hall on the Duke of Westminster Eaton Estate in Cheshire, UK Stock Photo - Alamy
Download this stock image: aerial view of Eaton Hall on the Duke of Westminster Eaton Estate in Ches ...
www.alamy.com
・・・と諦めていたのですが、今回のことでまた色々と調べていると、邸宅の中には入れないが庭園は決められた日程だけですが公開しているということがわかったのです。
公開日はなんと1年で3日間だけ・・・
2024年は、5月21日、7月2日、8月25日の日曜日の3日間でした。
入場料は大人15ポンド、子供は5ポンド(4−15歳)で、全てチャリティーへの資金集めに使われると明記されています。
その年の使い道の内容もきちんと書かれている。
今年の受益団体はSPACE(spacecheshire.org)です。SPACEはチェスターを拠点とする慈善団体で、障害や特別なニーズを持つ子どもたちが安全で楽しくアクセスしやすい環境で遊べる場を提供しています。また、親や兄弟、介護者のためのカウンセリングやサポートグループ、ガイダンスなどのサポートやリソースも提供しています。SPACEは、障害や特別なニーズを持つ子どもたちの親たちが、適切な遊び場やサポートグループが不足していることに不満を抱き、2014年に設立しました。彼らの特別にデザインされたセンターには、すべての機能が揃ったパッド付きの感覚室や、アクセス可能なソフトプレイ、あらゆる能力に合わせたさまざまなアクティビティがあります。
Grosvenor's Eaton Estate charity garden open day2024のページより筆者が翻訳
下記は昨年調べた時の2023年の使い道。
ちゃんと毎年決められて発表もしっかり行われているんだと驚きました。さすがチャリティーの盛んな国です。
今年の受益団体は次のとおりです:B-I-R-D(脳損傷とリハビリテーション開発慈善団体)は、学習障害や脳損傷を持つあらゆる年齢の人々の生活の向上に専念しています。Passion for Learningは、学校年齢の子供たちの豊かさ、教育、精神的健康を促進し、支援し、彼らが自分の潜在能力を発揮できるように動機付け、力を与え、可能にします。そして、Three Villages Projectは、グロスヴナーのイートンエステートの三つの村、エクルストン、アルフォード、サイトンのコミュニティサポートのための資金を集めています。
Grosvenor's Eaton Estate charity garden open day2023のページより筆者が翻訳
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Charity hosted events
www.grosvenor.com
庭園mapもダウンロード可能になっていたのでさっそく手に入れました!
庭園は88エーカーあり、ぐるりと回ってみると距離にすると1.9kmもあるそうです。
その他にもファミリーヒストリールームなどもあるようなので、公爵家やイートンホールの歴史などの展示もあるのかも。飲食のサービス、トイレや更衣室など、ピクニックエリアなど施設も充実しているので、天気が良かったら1日をたっぷりと過ごせそうですね。
(でもこの日が1日中雨だったらどうなるのだろう・・・)
驚いたのはもう一つ、イートン鉄道があるそうです。説明によると遺産鉄道としてイベントチケットと一緒に購入すると客車に乗ることができるそう。
今は使われていませんがイートンホールには1896年に建設された線路があり、邸宅内と外の一般の鉄道線がつながれていました。1946年に閉鎖されるまで、燃料の配送などに使われたのだとか。
どこかのカントリーハウス内でも、敷地内に鉄道線を引きたいという依頼を受ける条件に専用の鉄道駅を作ったという話を聞いたことがあります。広大な敷地内に一般の鉄道や道路があっても不思議はないのかも。
2023年に行ったウォリントンというカントリーハウスにも、敷地内を一般道が走っていました。
まとめ
ウェストミンスター公爵の結婚のニュースから、イートンホールガーデンのオープンデーについてまでお届けしました。
結婚式が終わったらまた情報をまとめてみたいと考えています。