映画のロケ地となったカントリー・ハウス。今回は、2012年公開された『カルテット!人生のオペラハウス』(Quartet)です。
監督は名優ダスティ・ホフマン。
撮影の場所に使われたのは、HEDSOR HOUSE(へドソル・ハウス)という19世紀に建てられたお屋敷。この土地はジョージ3世やヴィクトリア女王ともゆかりのある土地柄なんだとか。
映画のあらすじとロケ地となった建物をご紹介します。
「カルテット!人生のオペラハウス」のあらすじ
Quartet (カルテット!人生のオペラハウス 2012年)
イギリスの田園風景が広がる中にあるビーチャム・ハウス。ここは年老いて現役を引退した音楽家たちが入居する老人ホームです。
入居者たちは、ヴェルディー生誕200年を記念するコンサートを企画し、その入場料で財政難に陥り存亡の危機にさらされている自分たちのホームを救おうと決意します。
笑いや涙を交えてコンサートに向かう姿を描くヒューマンドラマを撮ったのは、この映画が初監督になるダスティン・ホフマン。
キャストには「ハリーポッター」「ダウントンアビー」など数々の映画やドラマで知られるマギー・スミスや「ドクトル・ジバコ」のトム・コートネイら、イギリスを代表する俳優が集結しています。
アカデミー名優陣と音楽史に輝く名音楽家たちの豪華競演。ストーリはごくごく平凡ですが、美しい音楽とビーチャム・ハウスの優雅な日常がとても素敵です。
かつてカルテットを組んでいた4人が老人ホームで再会します。
・若者に対する音楽の普及に心血を注ぐレジー
・ボケが始まったシシー(「弱虫」の意味)
・ホームでも女性を追い回しているウィルフ
・プリマドンナだったジーン
傷つけ合い別れたままだった4人が、再びヴェルディの四重奏を歌う。その過程を通して過去を振り返り前を向いていく姿が描かれているのです。
『カルテット!人生のオペラハウス』ロケ地のヘドソル・ハウス
ビーチャム・ハウスのロケ地に選ばれたのは、ロンドン郊外、バッキンガムシャーのタブロウにあるヘドソル・ハウス(Hedsor House)。
この土地には1000年以上も前から家が存在したという歴史のある場所。
さらに、イギリス王ジョージ3世(1738-1820)の母であるオーガスタも住んでおり、ジョージ3世や彼の孫にあたるヴィクトリア女王も度々訪問していた、王室に深いかかわりのある場所なんだそうです。
ヘドソル・ハウスの階段ホールに飾られているジョージ3世妃のシャーロット王妃の肖像画。もともとこの場所は、ジョージ3世の御馬廐頭(Royal Equerry)だったボストン家によって代々所有されていました。王と王妃もしばしば訪れていたそうです。
建物は、1795年に大火災に見舞われ、1868年にイタリアのビラスタイルの建物で生まれ変わりました。生まれ変わった建物がこちら。
現在の建物はイタリア風の塔があるデザインからもっと現代化したものになっています。
『カルテット』の撮影時の写真です。
こちらも
Hedsor Houseでは映画のロケ地だけではなく、結婚式場としてもとても力を入れているようです。階段の上にはジョージ3世の肖像画も見えます。美しい階段ホールです!
2007年にはニコール・キッドマン主演の「Golden Compass(ライラの冒険 黄金の羅針盤)」の撮影に使われ、翌年からはイベントの会場として広く使われるようになりました。
ロンドン中心地から45分という近さですが、85エーカー(約34万ヘクタール)の広大な敷地は美しい田園風景を作っています。
手入れされた庭は本当に美しい!!
映画やドラマのロケ地として
『カルテット』以外にもこのように映画やドラマでも幅広く撮影に使われています!
私は『カルテット』と『ダウントン・アビー』しか見ていないので、その他も確認しなくては。
- ネットフリックスドラマ『ザ・クラウン 』第2話に登場しているそう。
- 『ダウントン・アビー 』 シーズン5の第4話。レディ・メアリーがファッションショーをロザムントと見にいった場面です。
- 『キング・オブ・シーブズ 』マイケル・ケイン、トム・コートネイ、マイケル・ギャンボン、チャーリー・コックス、ジム・ブロードベント、ポール・ホワイトハウス、レイ・ウィンストンが出演する、ロンドンの宝石街で起こった大規模な強盗を描いた映画。追悼の場面で使われているそう
- 『レジェンド 』トム・ハーディがロンドンで最も悪名高いギャング、レジー&ロニー・クレイの実話を演じます。ドローイングルームが舞台
- 『キリング・イヴ 』サンドラ・オーとジョディ・コマーが出演するダークコメディ・ドラマ・スパイスリラーです。 重要な夕食会の場面。
- 「フリーバッグ」第4話 - 地所、図書室、沈んだ庭、センターホールでの撮影が行われたそうです。
- 『ロードキル 』イギリスのテレビスリラーでは、ダウニング街の入口と階段として登場
- 『ミスター・セルフリッジ』ハリー・ゴードン・セルフリッジと彼のデパート、セルフリッジ&カンパニーについてのイギリスのテレビシリーズ。 受付&センターホールで登場。
- 『ゴールデン・コンパス 』2007年のファンタジーアドベンチャー映画。 この時に特注されたラグは今でもヘドソル・ハウスで見ることができるとか。
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