ブリジャートン家 映画・ドラマの中のカントリーハウス

Netflix『ブリジャートン家』のロケ地ガイド

2024-05-13

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Netflixの大人気ドラマ『ブリジャートン家』の魅力の一つは、イギリス中に点在するお屋敷や歴史的建物がロケ地として登場していること。本物の歴史ある建物やインテリアが物語の世界をさらに素敵なものにしています。

ロケーションとして登場している建物の中には、実際に中に入れる場所や、庭園を散策できる場所もたくさんあります。

外観しか使われていない邸宅、同じ邸宅を色々なシチュエーションで使っていたりとすごく工夫されて撮影されているようです。なのでここでは詳細までは書くことはできませんが、正式に発表されているものをなるべくわかりやすくご紹介。

あと、詳しく情報を探すことができなかったけれど、私が自分が持っている書籍や、邸宅の公式サイトの写真でこの部屋なのでは?なんて気づいたところも少し触れています。(私見はちゃんと区別して記載しております)

いつかロケ地巡りをすることを想像しながらぜひこのガイドを楽しんでください!

▼シーズン1のロケ地に関してはこちらの本をメインに参考にしました。カラー写真たっぷりでドラマが蘇りますよ。

ブリジャートン家のロケ地

ドラマで登場するブリジャートン子爵家が所有している邸宅は2つ。

・ロンドン、メイフェアのグロブナースクエアにあることになっているタウンハウス
・狩が楽しめる広大な敷地内にあるカントリーハウス、オウブリーホールです。

ロンドンのブリジャートン邸

ロンドンのブリジャートン邸として使われていたのが、Ranger's House。こちらは外観のみ使われていたようです。

Ranger's House

ドラマでは、藤の花を美しく飾り付けられた姿で登場。

実際の外観はこちらです。

Ranger's House(レンジャーハウス)は、ロンドン南東部グリニッジにある、王立公園管理人の邸宅でした。

ちょうどドラマの舞台となったころ(1813年)、ジョージ3世の妹、オーガスタ王女が住んでいました。

現在、この邸宅はイングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)によって運営されて、中世の彫刻、華麗な宝飾品、高級フランス製タペストリーなど、世界有数の美術コレクションを所蔵しています。

Ranger's House

住所:Chesterfield Walk, Blackheath, London, SE10 8QX
公式サイト:https://www.english-heritage.org.uk/visit/places/rangers-house-the-wernher-collection/



Halton House

ブリジャートン家の大広間、美しい階段やスモーキング・ルームなどはこちらで撮影されました。

現在はイギリス最大級の英国空軍基地となっているHalton House(ハルトンハウス)。

イングランド、バッキンガムシャー州のハルトン村近くのチルターンヒルズ内に位置する豪華なカントリーハウスです。1880年から1883年にかけて建設され、アルフレッド・フライヘル・デ・ロスチャイルドの私邸として使われました。この邸宅は現在、イギリス空軍(RAF)のハルトン基地に所属する士官のためのメス(社交・食堂施設)として活用されています。

Halton House(ハルトン・ハウス)

住所:Halton Camp, Aylesbury, HP22 5PG

▼ハルトン・ハウスは「ダウントン・アビー」の中でも少しだけ登場していました。

ブリージャートン家のオーブリーホール(Aubrey Hall)

Wrotham Park

シーズン2ではロンドン邸と同じくらい重要な場所で登場するオーブリーホール。ロケ地となっていたのが、Wrotham Parkです。

ロンドン中心部から30kmほどの位置にあるカントリーハウス。1754年にトリントン初代子爵ジョージ・ビングの四男ジョン・ビング提督のために建てられた、現在も家族所有の邸宅です。

Netflixのロケ地ガイドには具体的にどう使われていたのか書かれていなかったのですが、Wrotham Park(ルータムパーク)のホームページに載っている部屋の写真を見ていると、この部屋が使われていたのでは?と思ったところがあります。

ライブラリーはアンソニーの書斎で、嵐の夜アンソニーとケイトが本をきっかけに話す場面や、2人の親密な様子をダフネに見られた画面の部屋にとても似ています。

エントランスホール、階段、ブルーの壁紙の美しい3部屋くらい続いている応接間もここでは中も撮影に使われたのでは。

Wrotham Park(ルータムパーク)

住所:Barnet, Hertfordshire EN5 4SB
公式ホームページ:https://www.wrothampark.com/

West Wycombe

West Wycombe(ウエストウィコムパーク)は、オーブリーホールのサブロケ地。アンソニーの寝室などや、アンソニーが池に落ちたシーンなどの撮影が行なわれたようです。

ここは300年以上にわたりダッシュウッド家の居住地で、風景庭園に立つ黄色の壁が美しいパラディアン様式の邸宅。2代目準男爵サー・フランシス・ダッシュウッドによって18世紀に建てられた内部には8つの部屋があり、バロック、ロココ、古典主義など雰囲気の違う部屋が美しく調和しています。

さらに、コリンが訪問したマリーナの新居としても登場していました。

West Wycombe(ウエスト・ウィコム・パーク)

Wrest Park

広大な庭園を持つWrest park(レストパーク)は、オーブリーホールの庭園のロケ地として使われています。

こちらは1830年代第2代グレイ伯爵トーマス・デ・グレイによって設計された18世紀のフランスのシャトー様式の邸宅です。彼はパリで見た建築物に触発され邸宅を設計しました。第一次世界大戦中、軍病院として使われましたが、その後、所有者が変わり、農業研究の中心となりました。2006年にイングリッシュ・ヘリテージが邸宅と庭園を引き継ぎ、20年計画で庭園を修復するプロジェクトを開始しました。

Wrest Park(レスト・パーク)

住所:Silsoe, Bedfordshire, MK45 4HR
公式サイト:https://www.english-heritage.org.uk/visit/places/wrest-park/

ヘイスティング公爵邸ロケ地

ヘイスティング公爵邸として登場するのは、ロンドンのタウンハウスと、サイモンが子供の頃父と離れて過ごしていたカントリーハウスのクリブデンです。

どちらも素敵な場所でしたね。

ヘイスティング公爵のロンドンのタウンハウス

ロンドンの邸宅は、サイモンにとって苦しい思い出の場所であり、その後ダフネと共に葛藤の時期を過ごし、最終的には彼の人生の中で新たな道を切り開く出発点となりました。

Wilton House

Wilton House(ウィルトンハウス)はヘイスティング公爵のロンドン邸の外観、一部部屋が使われています。

ウィルトン・ハウスは、400年以上にわたってペンブルック伯爵家の邸宅です。ヘンリー8世は中世のウィルトン修道院の解散後、その土地を初代ペンブルック伯ウィリアム・ハーバートに与えたことで、伯爵家とこの土地の歴史が始まったのです。

現在の建物は、1647年の火災後に再建されたものです。でも初代が建てた部分の一部は今も残っています。その後、19世紀初頭と20世紀初頭にも改築が行われています。

現在も家族の住居であって、夏の間は邸宅と庭園が一般公開されています。

Wilton House(ウィルトン・ハウス)

住所:Wilton, Salisbury SP2 0BJ
公式サイト:https://www.wiltonhouse.co.uk/

Syon House

Syon House(サイオン・ハウス)は美しいホールが使われていました。このインテリアはとても特徴的なので使われているとすぐ分かります。

4話でサイモンがロンドンを出発するために荷物がまとめられている場面や、第7話でお互いに歩よらないダフネとサイモンがすれ違う場面などで登場しています。

こちらはロンドン近郊にある、ノーサンバーランド公爵の邸宅でサイオン・パーク(Syon Park)として一般にも公開されていて、お屋敷はもちろん庭園も見学できます。

400年以上にわたって公爵家が所有してきた場所ですが、16世紀には激動の歴史を見てきた場所でもあります。もともと修道院がありましたが、ヘンリー8世による修道院解散政策で破壊されました。その際、1人の神父が残酷に処刑されています。その後、サマセット公によって邸宅が建てられましたが彼も処刑される運命をたどりました。その後住人となったノーサンバーランド公やレディ・ジェーン・グレイも、同じく悲劇的な運命に見舞われたのです。

さらに、バッキンガム・パレスのジョージ3世のダイニングルームの場面や、ロングギャラリーはセントジェームスパレスとして登場していました。シーズン2の舞踏会の画面では巨大な温室が映し出されていました。

Syon House(サイオン・ハウス)

住所:Syon Park, Brentford, Middlesex TW8 8JF
公式サイト:https://www.syonpark.co.uk/

Badminton House

Badminton House(バドミントンハウス)は公爵の2つの邸宅のインテリアとして使われたという情報しかなく詳細がわかりません。

でもバドミントン・ハウスのインテリアがたくさん載っている写真集のような本を持っているのですが、それを見ているとDrawing Roomの一つが、ダフネがコリンとマリーナを再会させた部屋に似ているなと感じました。写真やドラマは見えてる角度が限られているのでわからないのですがドアの形や場所、調度品などがとても似ていました。どうなんだろう。

こちらは現在もボーフォート公爵と公爵夫人の邸宅です。聞き覚えがあるこの邸宅の名前ですが、あのスポーツのバドミントンはこの場所が名前の由来になっています。もともとあった羽付きのような遊びが変化して、現在の形が英領インドで形作られました。1863年帰国したイギリス軍の将校がバドミントンハウス紹介したのです。邸宅のエントランスホールのサイズは、コートの寸法と同じなんだそうです!!

Badminton House(バドミントン・ハウス)

住所:South Gloucestershire, GL9 1DD
公式サイト:https://www.badmintonestate.com/

ヘイスティング公爵カントリーハウス Clyvedenクライヴデン

サイモンとダフネが結婚してハネムーンを過ごすのが、公爵の本拠地クライヴデン。ロンドンからは途中で一夜を過ごし向かったので、かなり長旅でないとつけない距離にあるようです。

筆頭貴族である公爵の屋敷なのでもう壮大で豪華なはずであるというイメージピッタリのロケ地でした。

Castle Howard

Castle Howard : photo, public domain Wikimedia

サイモンとダフネがクライヴドンに到着した時の撮影は本当に美しかったですね。ロケ地に使われたキャッスルハワードの画角には収まらない広大さを伝えるには空からの眺めがピッタリでした。

ヨークシャーにあるバロック様式の大邸宅は、完成までに100年もかかった壮大なもの。8800エーカーの敷地内には美しい庭園、寺院、湖、噴水、たくさんの森の散歩道や、地元の村や農地も含まれています。

Castle Howard(キャッスルハワード)は6話でたっぷりと登場していました。邸宅だけでなく、庭園と広大な敷地も。

正面玄関に到着して、使用人たちに迎えられ階段を上がってすぐのグレートホール。ドーム天井までの吹き抜けの美しい空間もキャッスルハワードの正式な入り口です。

さらに、アンティーク廊下、ターコイズの壁紙の部屋、ロングギャラリーなど色々な部屋が登場します。

Castle Howard Antique Passage: photo no copyright Wikimedia

さらにサイモンとダフネの寝室。こちらは実際にもキャッスルでゲストを迎えるために使用されている、窓からは北側正面の素晴らしい景色が見える部屋なのだとか。ベッドの天蓋の裏地をサーモンピンクから深緑い変えるなどして撮影されたという裏話もキャッスルハワードのサイトに書かれていました。

その他には、庭園にある神殿、村の再現に使われた場所などあちこちが使われています。

ダフネとローズが村の人に持っていくために野菜などを採っていた壁に囲われた庭園は、ダフネが1話でナイジェルをパンチするシーンも撮影されているそうです。

 Castle Howard(キャッスル・ハワード)

住所:Castle Howard Estate, York, YO60 7DA
公式サイト:https://www.castlehoward.co.uk/

North Mymms Park

North Mymms Park(ノースマイムズパーク)は、クライブデンのナーサリーのロケ地でした。子供を作ることが2人の間の大きな問題となっていたので、この部屋は存在感があるように登場していました。

現在ノース・マイムズ・パークは結婚式会場として使われているので、インスタの写真はこの美しい邸宅や庭園を背景にしたウェディングフォトがたくさん出ています。

さらにここは、紳士クラブのWhite Clubの撮影にも使われているようです。

North Mymms Park(ノース・マイムズ・パーク)

住所:HERTFORDSHIRE, AL9 7TR
公式サイト:https://www.northmymms.co.uk/

クライブドンはロンドン邸と同様に、Wilton HouseやBadminton Houseがインテリアとして使われていたようです。

Wilton Houseの書斎が、サイモンの書斎として使われていました!

レディ・ダンベリー邸ロケ地

レディ・ダンベリーのロンドンのタウンハウス。

こちらは国王夫妻からダンベリー夫妻に与えられた邸宅として、スピンオフ作品の『シャーロット王妃』にも登場していました!

レディ・ダンベリー邸

ダンベリー・ハウスは、シーズン1よりも、シーズン2でケイト&エドウィナ・シャルマたちの滞在場所として中心的な舞台となります。

バースにあるアートギャラリー、Holburne Museum of Art(ホルバーン美術館)がこの家の外観として使われています。メンスリーの第5代准男爵、ウィリアム・ホルバーンが収集したコレクションが美術館の基盤。死後妹がコレクション(4,000点以上のオブジェ、絵画、書籍)をバース市に遺贈しました。

美術館はシドニーホテルの建物で開館して、1892年から100年ほど運営されてきました。2008年には大規模な改装が行われ現在に至ってます。

Holburne Museum of Art(ホルボーン美術館)

住所:Great Pulteney St, Bathwick, Bath, BA2 4DB
公式サイト:https://www.holburne.org/

シャーロット王妃の宮殿

ここからは王室関係のロケ地です。シャーロット王妃がさまざまな行事を行う宮殿として登場しています。

Lancaster House

Lancaster House(ランカスターハウス)は、かつての宮殿の敷地の一部にある英国政府の施設。外務省の外交レセプションや関連行事に使われています。

この通り豪華な内装は宮殿の撮影場所としてぴったり。「ブリジャートン」の中でもバッキンガム宮殿、セントジェームス宮殿やコンサートホールの撮影などに使われているようです。

Wilton House

Wilton House(ウィルトンハウス)はシャーロット王妃の宮廷としてセントジェームス宮殿の役割として登場。

社交界デビューの王妃謁見もこちらで。

Wilton Houseにあるアンソニー・ヴァン・ダイクの絵はシャーロット王妃の背景で存在感たっぷりでした。この絵と部屋は色々な映画やドラマのロケ地として登場しています。

その他にも、Syon House(サイオン・ハウス)のロングギャラリーが、セントジェームス宮殿となっていて、王妃やレディーダンベリーがこの廊下を歩いているところが見られます。

ジョージ3世がダイニングルームで食事している場面などもSyon Houseで行われたそうです。

フェザリントン家ロケ地

Bath Royal Crescent

Bath Royal Crescent:photo CC BY-SA 4.0 Wikimedia

フェザリントン家の邸宅も、グロブナースクエアの一角にあって、ブリジャートン家向かい合わせに建っているような設定になっていました。こちらの外観は、バースの名所ロイヤル・クレッセントで撮影されています。

重要な建築としてグレード1に指定された30棟のテラスハウスが三日月型に並んでおり、ジョージアン様式の建築としては英国でも屈指の名建築として賞賛されてる場所です。建てられたのは1767年から75年にかけてで、114本の柱がずらりと並んでいるのは圧巻な景色です。

サイモンとダフネの滞在した宿

最後は、サイモンとダフネがクライブデンに向かう道中で一晩滞在したInn(宿)です。

Dorney Court

Dorney Court: The main entrance:photo CC BY-SA 2.0 Wikimedia

Dorney Court(ドーニー・コート)は、1440年頃に建てられたチューダー朝初期のマナーハウス。バーマー家が500年所有している邸宅です。重厚なインテリアやステンドグラスが素敵な邸宅でした。

Dorney Court(ドーニー・コート)

住所:COURT LANE, DORNEY, WINDSOR, SL4 6QP
公式サイト:https://dorneycourt.co.uk/

参考

https://www.castlehoward.co.uk/the-estate/location-filming/castle-howard-on-film/bridgerton

https://www.netflix.com/tudum/articles/where-is-bridgerton-filmed-season-2-locations

https://www.english-heritage.org.uk/visit/inspire-me/bridgerton

ドラマのプロダクションデザイナー、William Hughes Jones氏のオフィシャルサイトを見ていると、特にシーズン1のセットについて構想図などから情報がたっぷり。ブリジャートン家、フェザリントン家のインテリアから、アトリエ、ボクシングリング、舞踏会のセットまで細部まで作り込まれていることがわかります。

実在する歴史的建造物と丁寧に作られたセットで完成された舞台。ストーリー楽しむだけでなくそちらも注目してみると興味深いです。

ブリジャートン家をもっと楽しむために

-ブリジャートン家, 映画・ドラマの中のカントリーハウス