『ダウントン・アビー』シーズン2・第2話「変化のとき」のあらすじ解説です。
さらに必ず見てほしい見どころと、知っているとさらに楽しめるダウントンでのディナーの決まりをご紹介しているのでぜひ最後まで読んでくださいね。
これまでのあらすじ
シーズン2・第2話「変化のとき」あらすじ
1917年4月です。
伯爵のロバートは、砲弾に衝撃を受けた元兵士ヘンリー・ラングを新しい付き人に迎えます。戦争で心に被害を受けたラングは、いつも不安そうな表情でロバートや他のスタッフたちを苛つかせてしまいます。
戦争が激化する中、シビルが働く病院では患者が増え病床が足りません。そんな中、患者の1人で毒ガスにより視力を失っているコートニー中尉が病院を移ることを宣告され自殺をする事件が起こります。病床不足を解決するため、ダウントン・アビーが療養施設になる案が浮上。それは伯爵家の人たちにも、スタッフにも動揺を与えます。
イギリスに戻っているマシューと、婚約者のラヴィニアを招く晩餐会が企画されます。そこにメアリーは中年の新聞王、リチャード・カーライル卿も招待します。貴族ではないけれど、お金と権力があるカーライルは、汚点があるメアリーのピッタリの結婚相手だと、叔母のロザムンドはヴァイオレットに認めさせようとします。
ロザムンドは、カーライルとラヴィニアが庭で話し込んでいる様子を見て、何かあると興味を示します。
イーディスは、トラクターを運転するということで、農夫のドレイク夫妻の手伝いをすることを買ってでます。人の役に立ちたい、誰かに頼られたいという気持ちが変な方向に走ってしまいます。
スタッフ不足で忙しいカーソンは体調を崩し夕食の給仕中に倒れます。様子を見に来たメアリーに対して、マシューに本心を告げるべきだとアドバイスを送ります。メアリーがマシューを今も愛していることをわかっている様子。メアリーはさらにアンナから、今もベイツを愛していて、これからも彼以上に愛せる人は出てこないという強い気持ちを聞いて、マシューに自分の気持ちを伝えに行くことにします。
トーマスは負傷して戻ってくるが、入れ替わりにウィリアムは戦地へ行くことに。パットモアの甥は戦地で不名誉な死を迎えるなどダウントンのスタッフたちも戦争に嫌でも巻き込まれていきます。
ぜひ見てほしい見どころ
この回も色々と見どころがありますが、2つ取り上げたいと思います。
メアリー、トーマス、オブライエンとカーライル卿の人間性が見える
メアリー、トーマス、オブライエンとカーライル卿の共通点は、性格が悪そうとかしたたかに捉えられがち。
でももちろんそういう面は強く出てきるけれど、本当は繊細で優しいところもあるんだなと感じられるところがたくさん登場します。
メアリーについてはこれまでも書いたのですが、ヒューズ家政婦長にも「自信がないなんて意外ね・・・」と言われてしまうほど強い女のイメージです。でもこの回でも、自分の気持ちを通すでラヴィニアを傷つけるのではないかと身をひいたりします。いつも意地悪しているイーディスが、農場で働くという新しい挑戦にも、陰ながら応援しているのが表情からも見れて、メアリーという人の魅力がよく描かれているなぁって思います。
トーマスとオブライエンは、この回では優しさに溢れていましたね。トーマスのコートニー中尉への労わりは本心だったように感じます。そしてオブライエンのトーマスやラングを心配そうに見つめる視線は、亡くなった弟を見るような視線なんだと気付かされました。弟はいつも頼ってくれていた・・・という言葉には、頼られたいという孤独感も感じられて、オブライエンの別の顔を見たような気がします。
カーライル卿は、成り上がりのビジネスマンだから、メアリーの強さに自分と似たようなものを感じたのではないでしょうか。そして自分にはない貴族の伝統・しきたり・優雅さや教養といったそういうものを手に入れたいという思い。プロポーズがビジネスライクで全然ロマンチックではないのだけれど、彼なりのメアリーへの気持ちが見えた気がしました。
コートニー中尉とはどんな人だったのか?
この回だけしか出てこないけれどとても印象を残したコートニー中尉。どんな人だったのでしょうか。
中尉が自ら命を絶って一番悲しんでいたのはトーマスでした。亡くなる前の2人の会話からどんな人物だったのかが浮かび上がります。
オックスフォードの大学生。狩り、猟、釣りを楽しんでいたけれど、もうできない。そして弟のジャックが自分の代わりに家を継ぐのだと悲しそうに語っていました。
イギリスの軍隊の階級と家柄のつながりはわからないのですが、コートニー中尉は戦前は良家出身の人だったよう。大学で学びながら、その後は父の跡を継ぎ自分と同じように良家の方と結婚する・・・そんな人生があったのかもしれません。基本的には長男が家を継ぐものなので、弟のジャックは昔からそんな兄を羨ましく思っていたのかも。しかし戦争で兄と弟の立場が変わるだけでなく、自分の人生の先行きも見えなくなる。トーマスとの短い会話だけからも、絶望感がひしひしと伝わってきます。
ブッフェスタイルの朝食
シーズン2の第1話では、ダウントン・アビーでのディナーについて紹介しました。
朝食は一日の中でも一番カジュアルな食事です。ダウントン・アビーの朝食は、ダイニングルームのチャールズ1世の肖像画の下のテーブルに置かれたブッフェスタイルです。自分でお皿に取り分けて、来た順番に食べていますよね。
朝食の場面にはいつもいない人がいます。伯爵夫人のコーラです。トレーに乗せられた朝食をベットの上で食べることができるのは、既婚女性だけなんだそうです。
朝食場面では、新聞を読んだり、届いた手紙を読んだりと、その内容が後のストーリーに繋がっていく結構重要なシーンです。
第2話の終わりまじか、イーディスに届いたドレイク夫人からの手紙。イーディスの驚いた表情が印象的でした。イーディスは今後どうするのでしょうか。