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ダウントン・アビー』シーズン2の第7話「奇跡」のあらすじと見どころです。
1919年。戦争が終わりダウントン・アビーも療養施設としての役割を終えます。
カーライルの言葉「戦争が終わると最初は安堵するが次には失望がまっている」の通り、失望する人がたくさんいる。
失望してどんどん悪くなる人と、良い方向に向かっていこうとする人に分かれているような。
見どころではカーソンが語るメアリーの子供の頃の思い出。
そしてハクスビー工事の進捗具合から見る、ビジネスマン・カントリーハウス・オーナーカーライルと、地主貴族・カントリーハウスオーナーのロバートについて少し考えます。
シーズン2・第7話「奇跡」あらすじ
1919年。戦争が終わり療養所から普段の生活に戻っていくダウントン・アビーでは、元に戻れて嬉しい人とそうでない人がいるようです。
ロバートは戦争が終わり今後の自分の役割やダウントンの将来に不安や失望感を持っているようですが、コーラの方は忙しく動いていたいと張り切っています。
メアリーはカーライルとの結婚が進んでいくにつれて憂鬱そう。カーライルがアンナを買収しようとしたことでカーソンを失望させて執事として来てもらうことを断られる・・・
イーディスもシビルも目的を持って働いていた日々を懐かしく思い出していて、シビルは「元の生活に戻るより、有意義な人生を歩みたい」といブランソンと駆け落ちを決めるのです!!自分の気持ちをブランソンに伝える感動場面が動画のシーンです。
マシューは歩けるようになることがわかりラビニアとの結婚を決める。そんなマシューに考え直すように伝えるのはあの人ヴァイオレットです。あなたもメアリーもまだ愛し合っているのでしょうと。マシューはどうするのでしょうか・・・
トーマスは仕事も住むところも失ったので、闇市で儲けようと考えるが、仕入れ先に騙され、破滅してしまう。
ヒューズ夫人はエセルと子供を、父親の実家であるブライアント夫妻と対面させようとするのですが、父子関係の証拠もない詐欺師だと怒り帰ってしまいます。
ベイツ夫人のヴェラの自殺は、ベイツが頼まれて買った殺鼠剤を飲んでだということがわかる。ベイツが疑われる状況がどんどんと増えてきて、またベイツに試練の日々がやってきそうです。
みどころ カーソンが語るメアリーの子供の頃の思い出
メアリーは複雑な女性なので、彼女に惹かれる人と嫌う人がはっきりと別れる人物です。このブログにも”メアリー 嫌い”とか”メアリー ひどい”といった検索ワードで訪れてくれる方もいて面白いなぁと思っています。私も最初はメアリーが苦手だったのですが、(イーディスに対して酷すぎる)表にはあまり出さない優しさを度々見つけて好きになっていきました。
そんな方にこの回でカーソンが語る少女時代のメアリーの思い出話を聞いてほしい!
ヒューズ夫人「私にはメアリー様は高慢な女性でしかないわ」
カーソン「幼い頃を知らないからだ。茶目っ気にあふれていた。まだ4.5歳のころこの部屋を訪ねてきて「カーソン、家出することにしたの。売れる銀食器はない?」と。私は「それは旦那様にご迷惑がかかります。私が6ペンス出すので村で遊んできては」するとお嬢様は「分かったわ。利息をつけて返します。と」
ヒュース夫人「それで?」
カーソン「キスで完済してもらったよ」
ヒュース夫人「お嬢様が得をしたわ」
カーソン「それはどうかな?」
銀食器が高いとわかっているところが流石ですよね!
ハクスビーの新しい所有者はビジネスマン
ハクスビーの工事の進み具合について、ヒューズさんにカーソンがこんなことをいっていました。
「資材は不足しているがカーライル様なら大丈夫だ。厨房や浴室の設備を見せてあげたいよ」
さらにカーライルも、「作業が遅れたら罰金をとる条件なので。(作業が楽しいとか関係なく)工事が完了すればいい」
これからもわかるように、お金があればいくらでも豪華に、そして合理的に強引に進める!!というビジネスライクなところが伝わってきます。
ロバートが大切にしているような品、誠実さや施しの精神とは違いますよね。
ダウントン・アビーのようなカントリーハウスは、伝統的にその所有者は広い領地を持っていて、その借地料や投資での収入で暮らす貴族が大半を占めていました。地主貴族です。
しかし産業革命と都市部の発展が進んで生活スタイルの変化によりカントリーハウスの重要性が薄れてきました。さらに戦争や農業の衰退、高い維持費や相続税などで所有者の経済的な負担が増加。
ドラマの中でも色々と登場しますが、財政難で屋敷を手放す人や管理が行き届かない中で生活する人が出てきます。そしてカーライルのようにビジネスマンやアメリカの富豪たちが新たな所有者になっていったのです。
映画にもなっているカズオ・イシグロの小説「日の名残り」の中でもダーリントン卿の死後、親族の誰もを引き取ろうとしない屋敷ダーリントン・ホールをアメリカ人の富豪ファラディ氏が買い取っていました。
下記はカントリーハウスの所有者の話ではないのですが、爵位を受ける人の職業が大きく変化していっていることがわかります。
農業不況が始まった1880年代からは、地主貴族階級以外から爵位貴族にのぼりつめる者も多数登場する。1886年から1914年のあいだに、イギリスでは200人近い人物が爵位を与えられたが、このうち地主貴族の出身者は4分の1にすぎず、3分の1は専門職階級(医師、弁護士、大学教員、海陸運将校など)や高級官僚、3分の1は実業界の出身者で占められていた。
「貴族とは何か ノブレス・オブリージェの光と影」君塚直隆著
これからダウントン・アビーはどうなっていくんでしょうか!!
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